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母豚の夏バテは今がピークです!

記録破りの暑さだった今年の夏も終わりつつありますが、母豚の疲れは今がピークを迎えています。毎年の母豚の体調悪化からの繁殖成績のダウンは、夏真っ盛りの時期よりもむしろ晩夏から初秋にかけてが要注意時期となります。この時期、いかに母豚の疲れを取って、飼料を良く食べさせ、ボディコンディションを整えるかが、来年春以降の出荷豚の確保につながります。体調不良の母豚をできるだけ早く見つけるポイントについて考えてみます。

母豚の不調を早期発見する

まずは、母豚の体調を知るためには観察が重要です。母豚が体調を崩していないかをできるだけ時間をかけて見回ることが大事です。

交配舎では、

  1. 分娩舎から戻ってきた豚がやせすぎていないか? 太りすぎていないか?
  2. 飼料摂取量は悪くなっていないか? 給餌するとすぐに食べにくるか?
  3. 被毛、肌ツヤは良いか?

妊娠舎では、

  1. 胎齢が進むにつれて、程よく背脂肪が乗ってきているか?
  2. おりものは無いか? 便秘はしていないか?
  3. 給餌直後に立ち上がって飼料を食べに来るか?

分娩舎では、

  1. 分娩後、発熱していないか?
  2. 飼料摂取量は順調に上昇しているか?
  3. 乳は張っているか?乳房を横にして寝て、哺乳豚に充分授乳しているか?
  4. 呼吸は荒くないか?

等々、これだけ見て回るだけでも、結構な時間を要します。別な作業の合間も使いながら、母豚をとにかく良く観察することが大事です。

頻繁に熱を測ろう

母豚の熱を測る習慣を付けましょう。昔から使われているガラス製の水銀計は、割れやすく暗いと見づらいので、体温測定はなかなか厄介な作業と思われがちです。

しかし、最近では肛門に刺して8秒で測定できるものや、先端部分に弾力があり、折れないペット用の1分計など、様々なタイプが入手できます。ペット用の体温計は1,000円程度のものもありますので、各農場で多めに揃えておいて、気軽に体温測定を行う事をお勧めします。分娩時には全頭測定している農場もあります。

体調不良の母豚に対する処置

体調不良の母豚を発見したら個別に対処を行いますが、まず熱を出している母豚に対しては、熱を下げてやることで飼料を食べさせてやることが大事です。解熱剤には注射もありますが、飼料に混ぜるタイプも発売されています。これらの解熱剤と、症状が重いものには抗生剤を併用しながら、飼料をこまめに与えて食下量を上げていきます。また給水器の水量や位置なども適正に調整してやることも重要です。立ち上がらない豚には、ホースで水を口に入れてやるのも効果的です。  今の時期、とにかくこまめに母豚を観察して、体調不良を早期に発見し、個体毎に対応してやることが最優先事項です。

(文責 総合研究所 検査グループ 矢原芳博)

総合研究所 検査グループ TEL 0287-37-4501 FAX 0287-37-4514

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