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想像以上に怖いネズミの被害

今年は記録的な寒さと降雪の冬となっておりますが、野外が寒いせいか、農場で見かけるネズミの数も多いような気がします。ネズミの被害は壁や天井を食い荒らすだけではなく、感染症を広げるなど、想像以上に大きいものです。ネズミの駆除は、農場外で自由生活が出来る他の季節より、農場内に集中する冬場が効果は上がりやすいといわれています。ネズミ駆除の基本について考えてみたいと思います。

ネズミがもたらす被害とは?

(1)壁や配線を食い荒らす被害

  • 特に天井や壁の断熱材などはネズミの格好のターゲットであり、放って置くと跡形も無く食い尽くす。すきま風や舎内温度低下の原因となる。
  • 配線を食い破って漏電や火災の原因となる。

(2)病気を伝達する被害

  • ネズミの尿からレプトスピラが母豚に感染し、流産や不受胎の原因となる。
  • サルモネラ(特にネズミチフス菌)は、ネズミが媒介しやすい。
  • その他の病原体も、ネズミの身体にくっ付いて他の動物へ感染する。

(3)見過ごせないその他の被害

  • 非常に多数のネズミが住み着いた畜舎では飼料の食害の量も甚大。

ネズミ退治の基本

まずはネズミの通り道を良く把握し、その場所に効率よく、駆除剤あるいはネズミ捕りを仕掛けて、執拗にネズミを取りまくるしかありません。ネズミの通り道にはラットサインという目印が出来ます。ネズミの糞の塊や壁をかじった穴、ネズミの足跡と思われる汚れなど、まずは畜舎を念入りに探す事です。また、いつ、どこで、何匹、どれくらいの大きさが取れたかを記録すると、畜舎内のネズミの動きが見えてくるものです。

ネズミ駆除業者に頼む場合は

規模の大きい農場では、自分たちだけでの駆除にも限界があります。適切な業者にお願いする事も大事と思います。インターネット等でネズミ駆除業者を検索するとものすごい数の会社がヒットします。しかし、一口でネズミ駆除といっても、得意分野が様々あるようです。畜産農場を得意としている業者さんを探しましょう。まずは他の農場で実績を上げている業者を紹介してもらうのが早いと思います。

(文責 総合研究所 検査グループ 矢原芳博)

総合研究所 検査グループ TEL 0287-37-4501 FAX 0287-37-4514

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