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豚の流産にご注意!

昨年後半から今年に入って、母豚の異常産のご相談が増えています。同時期あるいは少し時期がずれて、種付けした母豚の再発情が増えるなど、受胎率が悪くなるといったケースも耳にします。今回は、農場で異常産が起きたときの原因の見極め等について再確認したいと思います。

母豚そのものに症状はあるか?

異常産や再発情が起きたときに、その母豚自体に何らかの症状があるかをチェックしてください。原因をつかむ上での非常に重要な手がかりになります。

(1)母豚にはまったく症状が無く、平然と飼料を食べている。

  • パルボウイルス感染症、日本脳炎、PRRSウイルスや豚サーコウイルスなどのウイルス性の疾病の場合
  • 秋季流産症候群など、日長の減少などによる生理的な原因による場合

(2)母豚に発熱があり、食下量が落ちる場合

  • 豚インフルエンザウイルスによる流産の場合
  • 豚丹毒菌による流産の場合(発熱だけでなく発赤や死亡もありうる)
  • トキソプラズマ病による場合(近年では発生は稀)
  • オーエスキー病の場合(初発の場合に一過性、これも最近は稀)

(3)おりものなどが伴う場合

  • レプトスピラ症による場合(種付け後1ヶ月頃を中心に、白いおりもの)
  • 子宮内膜炎などによる場合(種付け方法が悪く、雑菌が子宮内で増殖)

いつ頃の胎齢で起きているか?

たとえば、PRRSウイルスによる流産の場合は、特に分娩予定1カ月以内に起き易く、いわゆる早産が特徴的です。レプトスピラ症は、初回妊娠確認の時期に発生しやすい傾向があるようです。

散発か集団発生か?

豚インフルエンザウイルスによる流産の場合は、特に短期間で母豚群全体に集中的に発生する傾向があるようです。

このように、いざ農場で流産が起きた時に、「どのように起きているか」が詳しく分かれば分かるほど、原因を絞り込む手がかりとなります。さらに母豚の血清や流産胎子による検査などで原因特定を進めますが、まずは症状の把握が重要です。

(文責 総合研究所 検査グループ 矢原芳博)

総合研究所 検査グループ TEL 0287-37-4501 FAX 0287-37-4514

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