技術情報Technical Info

冬場の寒さ対策のアイディア集

今年最終のトピックスですが、お読みになる皆さんには、「明けましておめでとうございます。」かもしれません。
前回の話題は、豚舎のすきま風をいかに防ぐかでした。12月も各地の農場を訪問させていただきましたが、感想を一言で述べれば、「寒い!!」の一言です。南九州はさぞ暖かいのだろうと思って行ってみたら、豚舎は寒いです。すきま風対策の必要な農場はまだまだ多いと感じました。先月号を又読み返してもらえればありがたいです。
今月は、すきま風対策以外にも、豚を暖めるちょっとしたアイディアについて書いて見たいと思います。そのままやってみるも良し、ヒントだけでも得ていただければ幸いです。

その1 夏場のペットボトルは、冬には湯たんぽになる!

夏場に母豚の暑さ対策に冷凍して使っていたペットボトルは、今どこにありますか?熱湯は無理ですが、程々の熱さのお湯を入れて、分娩舎の保温箱や離乳豚房に置いておくと、寒がっている子豚が抱っこして寝るようになります。床暖房は無くてもそこそこ保温できます。最初にこの話を聞いたときには、夏の使用法以上にびっくりしました。

その2 やっぱり保温箱!その応用例は徐々に増えています。

「また保温箱の話か」と言わないでください。ここしばらくは養豚場を訪れるたびに保温箱の話を繰り返し繰り返し勧めています。分娩舎は当然のことながら、離乳舎でも非常に有効です。この豚房にどうやって保温箱なんか取り付けるんだ!と言うような豚房にも、アイディア一つで保温箱が設置できます。たとえば狭い高床ケージは、柵を取っ払って2ペンをつなげてしまい、片方のペンを箱にしてしまいます。ここに2ペン分の子豚を収容しても、かなりの確率でうまく行きます。入り口は当然ビニール製ののれんです。厚さ1mm以上(できれば2mm)の透明なビニールを20cm幅に切って、入り口全面にのれん状に取り付ければ、箱の中も良く見えて管理も楽です。何よりも豚がどこからでも出入りできるので、弱い豚でもちゃんと中に入って温まれます。箱の形は正方形でなくても、細長い長方形でも、コーナーを利用して三角形でも大丈夫です。但し保温箱の中には、給餌器や給水器は無い方が良いでしょう。

その3 屋根の明り取りは返って逆効果?

冬場の豚舎の保温のために、屋根材の一部を透明な材質にしているケースを見かけます。日光を豚舎に取り入れる事で豚舎内を暖めようと言う考えでしょうが、確かに天気の良い昼間は温まりすぎるほど温まります。しかし逆に夜は、その材質のせいか温度が下がるのも急激です。このために日格差が大きくなりすぎて、返って子豚にはストレスがかかってしまいます。豚舎に人のいない夜~朝方にかけて子豚をどうやって暖めてやるかが大事です。

(文責 検査センター 矢原芳博)

総合研究所 検査グループ TEL 0287-37-4501 FAX 0287-37-4514

一覧へ