飼料を食い込ませるために(ドライフィーダーの場合)
9月に入り酷暑期をようやく通り抜けて、さあこれから子豚に飼料をたくさん食い込ませなければならない時期です。しかし、いざ食い込ませようと思っても、子豚がしっかりと食べられる環境がそろっていないとどうにもなりません。特に給餌器そのものの調整は、子豚の飼料摂取量に大きな影響を与えます。給餌器の形態は様々ですが、今回はドライフィーダーの場合について考えてみたいと思います。
1.必要な口数が用意されているか?
ドライフィーダーの場合、通常一頭口あたり3~4頭が適正な飼養頭数であるといわれています。各豚房の給餌器の口数は充分足りていますか?口数が足りなければ、特に弱い子豚が充分飼料を食べる事ができずに、1ペン内の子豚の体重のばらつきが大きくなってしまいます。
2.取り付け場所は適当か?
通常はペン内の通路に近い場所に設置します。豚が給餌器に正対して食べられるように設置してください。また複数の給餌器を豚房内に設置する場合、給餌器同士を離すと、片方は全く使用されず、糞尿をされてしまうこともよくあります。豚房の形や床の形状等によって、ベストの設置場所は様々だと思いますので、設置後の食べ方をよく観察する必要があります。
3.こまめな調整と清掃が大事
給餌器上部のタンク部分から飼槽に落ちる餌の量はこまめに調節しなければなりません。出過ぎれば飼槽が飼料で一杯になり、あふれて無駄になったり、食べきれずに腐ったりします。逆に飼槽の部分への出が悪いと食べたい量が充分に供給できません。飼料を変更したり、頭数が変わったりした場合はもちろんですが、普段からちょくちょくと飼料の出方を調整しなければなりません。一度飼槽に溜まってしまった古い飼料はすぐに腐ってしまいます。子豚は腐ってしまった飼料は食べませんし、疾病の元にもなりかねません。こまめに飼槽を掃除してください。
4.給水器について
給水については、それだけで過去に本トピックスにも取り上げられた話題であり、非常に重要な問題であるといえます。水の話を始めたらきりがなくなってしまうので別の機会に改めて取り上げたいと思いますが、ドライフィーダー設置農場の場合、ペン内の飼養頭数10頭につきピッカー1個以上を設置すべきです。給水器の数、高さ、流量について常に注意を払ってください。
以上、当然の事ばかりで恐縮ですが、チェックのきっかけにしていただければ幸いです。
(文責 検査センター 矢原芳博)
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