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休薬期間内で消毒ができない?~ポジティブリスト制度について考える~

本年5月29日にポジティブリスト制度が導入され、ひと月が経ちました。農場の皆さん向けにも様々な方面からの情報が入っているとは思いますが、新しい考え方でもあり、多くの方から制度に関する質問をお受けしています。また我々も質問を受けて、「そういえば、こういう場合はどうなんだ?」と考えさせられるケースも多くあり、把握できていない内容については、調べつつ確認しながらお答えしています。そこで今回は、消毒剤の使用についてご紹介します。

ポジティブリスト制導入に伴い、動物用医薬品の使用に関しても、特に休薬期間や使用禁止期間の変更が進められています。動物用医薬品検査所(動薬検)のホームページに紹介されている、「休薬期間に注意すべき動物用医薬品」の中には、塩化ジデシルアンモニウムを有効成分とする外皮噴霧剤(いわゆる逆性石けん製剤)があり、これを畜舎や出荷用トラックの消毒に使用されている方も多いと思います。以前はこの消毒剤に休薬期間の設定はありませんでしたが、ポジティブリスト制度導入後、牛豚では畜体5日間の休薬期間が設定されました。

ここでひとつ疑問が浮かんできます。出荷直前に畜舎や出荷用トラックを消毒した場合に、出荷まで立派に育てた動物に消毒剤が付着し、残留基準に引っかかってしまう心配はないのでしょうか。そんなことなら消毒をしない方がいいのでは―と考える方もいらっしゃると思います。

この疑問に対し、やはり動薬検HP内のポジティブリスト制度のQ&Aによれば、「外皮消毒剤の休薬期間は、その消毒剤を畜体の消毒を目的として直接噴霧または散布した場合に適用される。」(質問No.18)と記されており、上記のようなケースの偶発的な暴露には適用されないということです。よってこれまで通り、畜舎やトラック等の資材の消毒はしっかり行って全く問題ありません。

ただし、食品(食肉)から消毒剤の成分が基準値を超えて検出された場合は、やはり食品衛生法違反になりますので、消毒剤がなるべく豚にかからないよう注意は必要です。しかし、豚の表皮に多少の消毒剤が付着しても、枝肉に基準値以上の消毒剤が残留する可能性は高くはないと考えられますので、農場に病原体を持ち込ませないためにも、しっかり消毒を行うことが大切です。

詳しい内容は動物医薬品検査所ホームページにありますので、ご参照下さい。
動物医薬品検査所URL:http://www.nval.go.jp/

(文責 検査センター 鶏尾めぐみ)

総合研究所 検査グループ TEL 0287-37-4501 FAX 0287-37-4514

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