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豚のARワクチン(胸萎縮性鼻炎ワクチン)

ARはボルデテラ・ブロンキセプチカ(Bb)感染あるいは毒素産生パスツレラ・ムルトシダ(Pm)と重複感染して起きる慢性呼吸器病です。感染は病豚との直接接触によって起こり、初産豚での感染では典型的な症状が見られる場合があり、鼻曲がりなどが発現します。

これら鼻腔における障害はいわゆる呼気中のホコリなどが肺に侵入することを防ぐフィルターとしての機能を損ない、肺炎菌などの肺への侵入を容易にすることになります。

ARワクチンには繁殖用雌豚あるいは子豚に使用のするワクチンがあり、毒素産生パスツレラ・ムルトシダ単味または不活化菌体成分を加えた混合ARワクチンがあります。BbによるARは子豚の若齢期の感染で発症するが、Pmの場合、肥育のどのステージでもAR を起こすことが出来るとされています。

当所では母豚へのARワクチンの接種を最優先にお勧めしております。
上市されている製品には以下のようなものがあります。

1.AR-Cワクチン「北研」(北研)

  • 包装:10、50ml
  • 用法及び用量:成豚:5mlずつを2回注射する。子豚には1mlなど。

2.「京都微研」ARコンポネントワクチン(微研)

  • 包装:10、20、40、100ml
  • 用法及び用量:母豚へ2回、1ml注射など。

3.日生研豚ARワクチンN(日生研)

  • 包装:10、50ml
  • 用法及び用量:成豚:5mlずつを2回注射する。子豚には1mlなど。

4.日生研AR混合ワクチンBP(日生研)(Pasとの混合)

  • 包装:20、50ml
  • 用法及び用量:母豚:5mlずつを2回注射。子豚:1mlずつを2回注射。

5.インゲルバックAR4(B.I.ベトメディカ)(Pasとの混合)

  • 包装:20,100ml
  • 用法及び用量:母豚:2mlを2回注射。子豚には1mlを1回注射など。

6.スワインバックARコンポーネント(共立)

  • 包装:10、20ml
  • 用法及び用量:成豚:1mlずつを2回注射。子豚には1mlを注射など。

7.スイムジェンART2(化血研)(Pasとの混合)

  • 包装:10~500ml
  • 用法及び用量:母豚:2mlずつを2回注射。子豚には1ml2回など。

8.アラディケータ(ファイザー)(Pasとの混合)

  • 包装:10ml、20ml、100ml
  • 用法及び用量:母豚に2mlずつを2回注射。

9.「京都微研」ピッグウィンAR-BP2(微研)(Pasとの混合)

  • 包装:5、10、20ml
  • 用法及び用量:母豚へ2回、1mlを注射など。

※それぞれのワクチンの使用に当たっては能書でご確認ください。

(郡司)

総合研究所 検査グループ TEL 0287-37-4501 FAX 0287-37-4514

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